相続した実家に住む見込みがない場合や離婚に伴ってマンションを処分する場合など、本意とは言えない事情で不動産を売却する方はたくさんいらっしゃいます。
相続や離婚では、売却がベストかという判断と同時に、税制や住宅ローンの対応、共有持分の処分といった専門的な取組みが必要になることもあります。

相続不動産でお悩みの方へ!相続制度の基礎知識

事前に知っておきたいこと

事前に知っておきたいこと

相続税が課せられる場合とは?

相続税の制度は大変複雑で課税対象になるか否かを俄かに判定するのは困難ですが、2014年までは「基礎控除」と呼ばれる非課税の枠が大きく、自宅を含めてある程度の財産を所有していた被相続人様が亡くなった場合でも、ほとんどのご家庭は相続税の課税対象から外れていました。
ところが、2015年の税制改正でこの基礎控除の枠が40%も縮減された結果、状況が大きく変わっています。

相続発生時期 2014年12月31日まで 2015年1月1日から
基礎控除の額 5,000万円
+1,000万円×法定相続人の数
3,000万円
+600万円×法定相続人の数

基礎控除以外にも、配偶者控除や小規模宅地の特例などを用できる場合もありますが、基礎控除枠の縮減により、相続税の課税対象となるご家庭が急増したと言われています。相続税の納税期限は被相続人が亡くなった翌日から10ヶ月以内となりますので、納税額によっては、相続不動産を売却して納税資金を捻出することも必要になってしまいます。

誰が相続するのか?

誰が相続するのか?

法定相続人という言葉をご存じでしょうか?これは、被相続人が遺言書を残していない場合などに、相続人の範囲を法律で一律に定める制度です。相続する対象者は被相続人の配偶者と子供、両親、兄弟姉妹の順となりますが、対象者が亡くなっていてもその子供がいる場合は代襲相続という制度が適用になったり、再婚して以前の配偶者との間に子供がいる場合は、その子供も法定相続人になります。
また、被相続人が生前に遺言書によって法定相続人以外を含む特定の方への相続を指定していた場合でも、法定相続人は遺留分というかたちで財産の一部を相続することになります。
法定相続人の特定は、漏れがあったり思い込みで処理すると、後々大変なことになりかねません。従って、相続をよく扱う税理士さんや司法書士さんに依頼して、確実にすべての対象者を洗い出してもらうべきでしょう。
また、相続財産はプラスのものばかりではなく、借金などのマイナスの財産も含まれます。マイナスが大きい場合などでは、相続を放棄して逃れるという選択肢もありますが、相続財産の一部だけを都合よく放棄することはできませんので、慎重に判断して下さい。

分配の割合は?

分配の割合は?

被相続人の財産を誰にどれだけ分配して相続させるかについて、法律で「法定相続」という制度が定められています。例えば、相続人が配偶者と子供2人の場合なら、配偶者に50%、子供には各25%という具合です。すべての財産を法定相続人が相続する場合でも、法律と異なる割合で相続をさせたいなら、被相続人は生前に遺言書を作成しておかなければなりません。
また、相続財産の対象は現金や預貯金はもちろんのこと、不動産、有価証券、生命保険などさまざま種類があり、どの相続人がどの財産をどのような割合で取得するのかも決める必要があります。相続人が多数いる場合、不動産など分割が難しい資産は「共有」というかたちにして各相続人が共有持分を相続するということもしばしばあります。

マンションの相続税評価額の考え方とは?

マンションの相続税評価額の考え方とは?

相続財産の金額を算定する際、定価のない不動産の価格をどのような方法で決めるのでしょうか?
マンションの相続税評価額を算定する場合、敷地と建物は別に考えます。建物の評価額は役所で資料を取得すればすぐに分かりますが、敷地の評価額は個別の物件ごとに計算しなければなりません。マンションの敷地は区分所有者全員の共有になっているので、全体の価格に相続対象の住戸の持分割合を掛けて計算する必要があります。持分割合は登記簿や管理規約で確認することができます。
不動産、特に土地の相続税評価額を算定するのは、馴染みのない方にとってはかなり難しいので、税理士さんなどに依頼して計算してもらうのが一般的となっています

敷地の相続税評価額

マンションの敷地全体の相続税評価額を路線価等に基づいて算出したうえで持分割合を掛けて、対象住戸の土地の相続税評価額として算出します。

※表は左右にスクロールして確認することができます。

方式 種別 計算式
路線価方式 市街地にある宅地 線路化方式路線価×敷地面積×画地補正率
倍率方式 郊外にある宅地 固定資産税評価額×倍率
建物の相続税評価額

マンションの相続税評価額は、固定資産税評価額と同額です。マンションでは、各戸に対し固定資産税評価額が算出されています。

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額とは、市町村が固定資産税を課すときに使用する不動産の価格であり、都市部においては都市計画税という税金も、この評価額に基づいて税額が計算されます。役所の固定資産税を扱う窓口で申請して「固定資産評価証明書」または「公課証明書」を取得すると、書面に価格が記載されています。相続税においては、建物の評価額のみにこの固定資産評価額を援用すると定められており、土地については路線価等に基づいて別途計算することが要求されています。なお、マンションにおける建物の固定資産評価額には、対象住戸の専用部分に共用部分の持分割合が加算された金額として算定されています。

離婚に伴ってマンション売却をご検討の方へ

まずは不動産登記と住宅ローンの契約内容を確認!

まずは不動産登記と住宅ローンの契約内容を確認!

婚姻期間中にマンションを購入して離婚時にも保有している場合、通常は財産分与の対象となります。ただ、登記簿に記載されている所有者や住宅ローンの契約者が誰になっているのかによって、実際の対応方法は異なります。
例えば、所有者も住宅ローンを借りているのもご主人1人だけの場合なら、少なくともマンションの権利関係を離婚を契機に直ちに変更する必要はありません。
一方で、所有者が夫婦の共有となっていたり、住宅ローンをペアローンや連帯債務方式などの夫婦共同で借り入れている場合は、離婚協議の段階で対処方法を決めておかないと、後々のトラブルの原因になります。離婚をお考えになると財産分与や離婚後の養育費等に関心が集中してしまいますが、そもそも従来住んでいたマンションの権利がどうなっているかについて、重要ポイントとして早い段階でご確認ください。

マンション売却をせずに住み続ける場合

マンション売却をせずに住み続ける場合

離婚においては、ご夫婦がそれ以降は別居されるのが通例です。従って、一方が従来のマンションから退去されれば、もう一方は引続き同じ住戸に住み続けるという選択も不可能ではありません。特にお子様がいらっしゃる場合は、片方の親御さんとお子様は従来の生活環境を変えずに、同じ場所で暮らすことができるという大きなメリットがあります。
ただ、この場合はいくつか留意すべきことがあります。まず、離婚後もマンションの所有者と居住者が一致していれば問題ありませんが、異なる場合は居住者の立場は不安定と言わざるを得ません。所有者が住宅ローンの支払いを途中で停止して強制執行を受けたり、突然売却してしまうようなことがあっても、これに対抗できない懸念があります。また、そもそも住宅ローンを借りている銀行が、所有者が当該物件に居住していないことを認めてくれないこともあります。
更に、マンションが夫婦の共有で離婚後も共有の状態を継続する場合、退去した相手方と連絡がつかなくなってしまうと、もし売却しようとしても手が付けられなくなるリスクがあります。共有を解消するには相手方の持分を買い取るしかなく、そのためには相応の購入資金が必要です。
住み慣れて愛着のあるマンションに住み続けられるのは大きなメリットですが、経済的な負担や将来的なリスクにも十分注意したうえでご判断ください。

マンションを売却する場合

マンションを売却する場合

夫婦のいずれか1人の名義で所有しているマンションが財産分与の対象となる場合、相手方に金銭で分与の相当額を支払わなければならないため、マンションを売却して現金化する必要が生じることがあります。またマンションが夫婦の共有になっていた場合は2人が合意して第三者に売却して処分するほか、自分の持分を相手方に売却して共有状態を解消したり、お勧めではありませんが相手方と合意できなければ自分の持分だけを第三者に売却するという手段も、財産の整理をするための選択肢になり得ます。
原因が離婚であっても、もしマンションを売却するなら少しでも高く売れれば双方にとってメリットになりますので、本来なら一定の時間を掛けて仲介で売却することをお勧めしたいところです。ただ、実際には離婚協議の際にマンションの価格を早く確定しておかなければならない場合もあり、何時いくらで売れるか確約されない仲介よりも、安くても売却価格が明確な買取りの方が適当な売却方法と判断されることがしばしばです。
価格評価が難しいのは共有持分の売買です。所有権の相場価格を査定してそれに持分割合を掛けて計算するだけならシンプルですが、共有持分という不完全な権利を一般の市場で売買しようとすると、大幅に安い価格にならざるを得ません。売却する相手などによって、ケースバイケースで適正価格を判断することが必要になります。

PICK UP!一括査定サイトにはご注意!相続・離婚に伴う不動産問題は無料相談をご利用ください!

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マンションの売却を検討する際、依頼する不動産会社を探すために「中古マンション 売却」などのキーワードでインターネット検索を行うと、一括査定サイトがたくさん表示されます。最近は様々な分野に一括査定を申し込めるサイトがあり、このサービスを使えばいくつもの業者に価格を聞く手間が省けて便利とも言えますが、使い方を誤ると大きなデメリットを被ることになります。
まず、不動産の査定は中古車などの買取査定と異なり、提示される価格には、実際にその金額で売れるという保証はない、ということをしっかり認識してください。中古車なら一番高い買取額を提示したディーラーをシンプルに選んでも構わないかもしれませんが、不動産会社はあくまで仲介の立場で売出価格を提案するものであり、自社がその価格で購入する訳ではありません。これを逆手に取り、市場相場より相当に高額な査定価格を提示してお客様の歓心を惹き、売り出した後で適当に理由を付けて価格を大幅に下げてほしいと迫ってくる不動産会社も見られます。もし一括査定サイトを使うなら、突出して高い査定価格を提示したところへの依頼は避け、価格の根拠や営業ポリシーがしっかりしている業者を選びたいものです。
やまゆりエステートは、横浜市の地域密着型の不動産会社としてマンションの売却を専門に承っています。相続や離婚を原因としたご売却等のお悩みも、個々のご事情に親身になって対応いたしますので、お気軽にご相談ください。