売却査定額が高いほど優秀な不動産会社?

2021.07.23

分譲マンションなどの不動産の売却を検討する場合、貴方なら何から始めますか?
ご家族やご親族に売却することについての了解を取っておくこと。
売却した後の住み替え先や売却資金の使い道を決めておくこと。
色々とあるでしょうが、大多数の方にとって一番の関心事は、いくらで売れそうなのか調べてみるというのが、やはり本音だと思います。
不動産の相場や価格を把握する方法はいくつかありますが、手っ取り早いのは、信頼できそうな不動産会社に聞いてみることでしょう。
ただ、不動産会社から提示される「売却査定」には、鵜吞みにせず、注意して見なければならない場合やポイントがあります。
このコラムでは、不動産の査定に関してご留意いただきたいことを解説します。

◆◆不動産価格に定価はありません◆◆

不動産価格を知る手段としてまず申し上げておくと、マンションや通常の一戸建て住宅について、売る訳ではないが価格だけ知っておきたいというニーズなら、インターネットに出ている無料査定サービスの利用をお勧めします。
このシステムでは、人口知能が膨大な取引データ等を参照して価格を瞬時に機械的に示してくれるので、複数の類似サービスで同じように調べれば、およその価格は分かるはずです。
一方で、不動産の価格には「定価」がある訳ではなく、個別の住環境や条件によって評価に差があるほか、社会全体の景気変動から売買当事者の個別事情までが価格に影響します。
ですから、売却することをある程度念頭において価格を調べたい場合は、不動産会社が現地で実物を調査したうえで、諸条件を勘案した査定価格を出してもらう方がいいでしょう。
ただ、プロの不動産会社であっても、自社で妥当と考える査定額が絶対的なものと断言することはできず、ある程度の幅をもって提示することもしばしばです。

◆◆一括査定を申し込んだ時の注意点◆◆

ところで、不動産会社は恐ろしいほどたくさんあるので、どこに査定を申し込んだらいいか迷ってしまうという問題もあります。
個人的に親しい先がある場合を別にすれば、有名大手なら何となく安心感があるかもしれませんし、1社では不安なので複数の会社から話を聞きたいという方もいらっしゃいます。
また、インターネットを検索してみると「一括査定サービス」と言われるサイトが多数あることがすぐに分かるでしょう。
このようなサイトでは、5社くらいの不動産会社から査定を取って一番高いところを選べる、という宣伝をしばしば見かけます。
一括査定サイトに象徴されるように、売るならできるだけ高くという売主の気持ちを煽る営業は、不動産に限らず広く行われていますが、分譲マンション等の不動産の売却においても、査定価格が高い会社に依頼すればよいと、単純に判断して大丈夫なのでしょうか?
実は、結論を申し上げると、査定額だけを基準にして不動産会社を選ぶと、貴方の不動産売却は後悔する事態に向かうリスクが高いので、くれぐれもご注意いただきたいと思います。

◆◆査定価格と売却価格はイコールではない!◆◆

「なぜ?価格が高い方がいいに決まってるじゃないか。」
という声が聞こえてきそうですが、査定価格の通りに実際に売却できるのならその通りです。
ただ、ここでちょっと慎重に考えていただきたいのは、不動産会社が出す査定額とは何か?ということについてです。
もしこれが買取りなら、提示された金額で業者が引取るので、詐欺同然の話でなければ 提示価格=売却価格 と認識して構わないでしょう。
ところが、不動産の売買は主に仲介の受託として取扱われ、一般の市場で買主を広く募集して進めるので、査定価格は売却価格と必ずしもイコールではありません。
従って、不動産会社から示される査定価格とは、あくまで市場で売り出す場合の「提案」であり、その価格で絶対に売れると保証している訳ではないのです。
もちろん、多くの不動産会社では査定価格に責任を持ち、実際に売却可能と考える中での最大値を提案しているのですが、このような査定価格の特性を悪用して、売主様に優れた会社というイメージを与えて選んでもらうために、意図的に高額な査定を示すケースがあります。
高額な査定額の提案は、他社との競争になる一括査定からの申込みの時に特に起きやすく、ボリューミーな査定資料の中で価格しか見ない方が多いという実情に付け込んで、あえて他社より高い金額を示す営業手法が見られます。
前述の通り不動産には定価がないので、取引相場や個別の条件を勘案する計算過程において、もっともらしい理屈で高額な査定価格を作ることが容易にできるという事情も、無謀な査定を出せる背景の1つです。

◆◆高すぎる売出価格の末路◆◆

仲介で不動産を売却する際の売出価格の決定権は売主様に固有の権利ですが、プロである不動産会社からの提示をそのまま適用する方が多いのは言うまでもありません。
では、相場に比べて割高な価格で市場に出された不動産はどうなってしまうのでしょうか?
その物件をどうしても欲しい買主が、価格を問わずに購入したいという可能性もゼロではありませんが、それは偶然の結果と言うべきでしょう。
多くの場合は、当然ながら高すぎて売れないので、いずれ価格を下げざるを得ない状況になります。
それも1回の値下げで済めばいいですが、市場からいつまでも売れない物件と見なされると色々と勘ぐられ、値下げしてもすぐに売れないという状況に陥る懸念さえあります。
一方、売却の依頼を受けた不動産会社の側は、当初の売出価格では売れないことは想定の範囲内で、最終的に売れる価格まで値下げしていただいて売買が成立すれば仲介手数料を頂戴できるので、特に困ることはないのです。

このように無駄な時間やなかなか売れないという心労に加えて、スムーズに売れた場合よりむしろ安価なってしまう実害を被らないためには、売主様もあまり欲を張らずに、少し賢くなる必要があります。
思ったより高い査定額を示されて有頂天になる前に、本当にその価格で売れるのか? その不動産会社は本当に信頼できるのか? 少し立ち止まって検討してみることをお勧めします。

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