売買契約に貼付する印紙のルール

2022.01.13

マンションや住宅などの不動産を売買する場合には、売買契約書を作成する必要があります。
当事者の間だけなら、必ずしも書面を作らなくても契約は成立しますが、所有権を新しい所有者に移転させる登記の申請時などで売買契約書を示さなければならないので、原則として書面なしで取引することはありません。
同時に、税法により、不動産売買契約書を作成した時には、売買価格に応じて収入印紙を貼付(ちょうふ)することが義務付けられています。
この税金を印紙税と言い、国税の一種です。
では、具体的にどのくらいの金額を負担することになるのでしょうか?

売買契約に貼付する印紙のルール

◆◆印紙税の解説◆◆

上記の表が、契約時に課せられる印紙税の金額の一覧です。
印紙税は、税金と言っても確定申告のように税務署に納税しに行く訳ではなく、郵便局やコンビニで収入印紙を購入することで納税となります。
実物も郵便切手のようなモノなので、税金を払っているという意識はあまり持てないかもしれません。
ただ、ある程度高額な不動産を売買する際に契約書を作成すると、決して無視できないような金額になってしまうことは、ご理解いただけると思います。
表のうち、「本則税率」と書かれた欄は、税法に定められている税額です。
一方、「軽減税率」とは景気動向などを踏まえて時限で適用される税額となり、現時点では2022年3月末までに契約した分が、軽減税率を受けられることになります。
契約書を作成したら、所定の金額の印紙を表紙に貼り、契約に使うのと同じ印鑑で割印すれば完了です。

◆◆印紙税の節税方法◆◆

例えば5,000万円を超える金額でマンションを売却する場合、軽減措置を受けたとしても印紙税は3万円も掛かるので、ちょっともったいないですね。
そこで、節約する方法として、売買契約書(原本)の作成部数を減らすことをご提案します。
通常では、契約書は売主分と買主分の2部を作成し、双方が原本を保管します。
ただ、買主側は不動産登記のために原本が必要ですが、売主側で売却後に契約書の原本が必要になることは、基本的にはありません。
従って、売却の記念にどうしても契約書の原本が欲しいという希望でもなければ、作成する契約書を1通にして、原本は買主に渡し、売主側は署名・捺印済のコピーを貰っておくことで、用事は足ります。
コピーには収入印紙を貼付する必要はありませんから、原本1通分の印紙代を折半にすれば、ご負担は半分で済みます。

◆◆お互い様の気持ちで◆◆

このような節税の方法をご提案すると、ほどんどの売主様はご納得いただけますが、中には「自分はコピーでいいのだから印紙代を半分負担するのはおかしい」と仰る方もいない訳ではありません。
不動産会社の中にも、原本を保有する側(買主側)が全額負担するべきだと考える担当者もいるようです。
契約書の作成部数を1通にした時の印紙代の負担については、特に法律や決まりがある訳ではないので、当事者の感覚や良識に委ねられているということになりますが、お互い様の気持ちで寛容に受け止めていただけると、円満に話を進めることができます。
マンションの売買に際して価格や条件の交渉をするのは契約の前までにして、ご契約の席には、売主様と買主様のいずれもが朗らかなお気持ちで臨んでいただけることを願っています。

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