マンションの売却後に確定申告をしないとどうなる?

2021.07.18

横浜市に立地する分譲マンションなどの不動産を売却した場合、ほとんどのケースでは数千万円という高額の代金を得ることになります。
住宅ローンの残債がある場合は返済に充てるため、通帳に残高があるのは一時的ですが、日頃の生活で見かけることが滅多にない金額であることには変わりありません。
しばしば、お客さまから質問を受けるのは、その売却代金に対してどのくらいの税金が課せられるのか?という点です。
同時に、売却代金は給与などの通常の所得とは明らかに異なるので、確定申告が必要なのか?ということも尋ねられます。
このコラムでは、所得税が給与から源泉徴収されているサラリーマンの方や税務は税理士さんに任せきりという方に、不動産売却時の税制について解説します。

◆◆譲渡所得税という税金がある◆◆

私たちの身の回りには様々な税金があることは、申し上げるまでもありません。
これらのうち、例えば消費税や固定資産税または自動車税などは、モノを買ったり所有しているという行為・状態に対して課税されます。
このような税金は、納税する側が申告しなくても、店舗や税務当局から半ば自動的に請求されたり、自宅に納付書が送付されてきて納税することになります。
一方、給与などに課税される所得税や会社の法人税は、主に利益や儲けが発生したことが課税の対象です。
税務署では、個人や会社(法人)にどれだけの利益があったか直ちに把握することはできないので、各自に取得した利益を申告してもらい、それに応じて納税してもらうことになっています。(預金利息への課税など一部例外があります。)
このような申告は、個人の場合は年末で締め切り、翌年2月~3月に「確定申告」と呼ばれる方法で税務署に提出しなければなりません。(2021年時点ではコロナ感染対策のため申告期間が延長されています。)
サラリーマンの方は自分で税務の対応をする必要がないので、確定申告に馴染みがないと思いますが、給与計算をしている総務部等の方が会社全員分を纏めて代行してくれているものとご理解ください。
そしてこのコラムの本題である不動産を売却した時の所得についても、税制により確定申告と納税義務の対象になります。
この税金は「譲渡所得税」と呼ばれています。

◆◆課税の対象となる所得とは利益を指します◆◆

税金の話題において、必要経費という言葉を聞いたことがあると思います。
これは、利益を得るために要した諸費用のうち税制で認められた内容・金額を指しますが、課税される対象になるのは、受け取った収入から必要経費を差引いたうえで残る、利益や儲けの部分ということになっています。
つまり、例えば会社で言うと、10億円の収入があったとしても同額の費用が生じていれば利益はゼロなので、固定的に掛かる税金を除くと法人税は課せられません。
実は不動産売却時の譲渡所得税にも、同様の考え方が適用されています。
即ち、5,000万円で分譲マンションを売却したとしても、その売却額が課税の対象になってしまう訳ではなく、取得費(購入価格+経費)や売却経費(仲介手数料等)を差引いたうえで利益が出たと判断される場合に、それを「所得」と認識して課税されるのです。
ただし、ここで言う取得費の認識には注意が必要で、建物については「減価償却」という計算を反映しなければなりません。
ここでは詳細は割愛しますが、売却額から差し引ける計算上の取得費は、実際の購入価格より低くなってしまうため、その分だけ利益が出やすい傾向になることをご留意ください。

◆◆自宅の売却なら控除枠の設定も◆◆

上記の通り、不動産を売却したからと言って必ず譲渡所得税が課される訳ではありませんが、更に税制では、居住していた自宅を売却する場合に限り非課税にしやすい所得控除の枠が設定されています。
具体的には、自宅を所有していた期間に関わらず、売却で得られた所得(利益)が3,000万円以内なら非課税にするという扱いです。
この制度の適用によって、ご自身で購入された通常規模の自宅の売却なら、譲渡所得税が課税されることは相当にレアケースになると言えます。

では、自宅の不動産を売却した結果について、確定申告をする必要はあるのでしょうか?
この説明には、所得の発生状況により3つのケース分けが必要です。
まず、売却価格から購入価格等を差引いた所得(利益)が3,000万円を超える場合は課税対象になるので、確定申告をしなければなりません。
次に、控除枠の3,000万円以内の所得(利益)が生じた場合、課税されないので確定申告は必須ではありませんが、後々税務署から非課税と判断した根拠等を調査される可能性があります。
できたら無料の税務相談などを通して適正な計算結果を得たうえ、その記録と裏付け書類を整えておくことをお勧めします。
最後に、売却代金から取得費等を差引いた結果がマイナス(損失)になる場合です。
このような時には納税のための確定申告は不要ですが、その損失を別の所得と合算(相殺)することで、減税措置を受けられる可能性があります。
買い替えの場合が対象となり、所得制限等のルールがありますが、特に損失額が大きい時は節税手段として確定申告を活用したいものです。

◆◆譲渡所得税が課税される可能性があるケース◆◆

さて、譲渡所得税が課税されるケースは少ないとはいえ、もちろんしっかり課税されることが珍しい訳ではありません。
次のような売却の際が典型例となりますので、対象になる場合はあらかじめご留意ください。

・購入した時点が古く、現代から見ると非常に廉価で買っていたり、そもそも購入価格が幾らなのは分からない場合。
 (購入価格が分からない場合の取得費は、売却価格の5%と見なされます。)
・近所に新しい駅や利便施設が開業して、不動産価格の相場が急上昇している場合。
・自宅ではない物件(セカンドハウスや賃貸運用のための資産)を売却する場合。
・相続や贈与によって取得した物件を売却する場合。

これらのケースでは税務上の大きな利益が生じることもあり、その場合は高額の譲渡所得税が課される懸念がありますので、安易に売却を決意する前によく調べてみてください。
なお余談ですが、貴方が分譲マンション等を売却したという情報は、登記の変更に基づいて確実に税務署に把握されると考えておくべきです。
税務の対応に無頓着だと、最悪の場合は追徴されて延滞税を課されることもあり得るので、気持ちよく不動産取引を完了するためにも、最低限度の基本事項を理解しておくことが重要でしょう。

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