居住中のマンションを高値で上手く売る対策

2021.08.14

売却のご用命を募集している不動産会社は、概ねどこの会社でも「高く売ります」という宣伝をしています。
もちろん、各社のやり方で一生懸命に取り組んでいることは嘘ではありませんが、売主様、つまりご本人にも高く売るためのご協力をいただかない限り、不動産会社だけでは限界があるのも事実です。
特に、売主様が居住中の状態で売却される場合は、売主様のご対応次第で、成約価格に大きな差が生じることがしばしば起こります。

もし本当に高く売りたいと思うのなら、ご自分のために以下のような対策を実践してみてください。
少しの配慮を重ねることは効果抜群で、きっと相場を上回る価格での売却を実現できると思います。

◆◆居住中物件の売却の特徴◆◆

マンションを売り出す時の状態を区分すると、売主様がすでに退去して空室の状態で売る場合と、まだ居住中で家具や日用品がそのままの生活感がある状態で売る場合があります。
どちらが売却に有利・不利と言うことではありませんが、空室の場合は、購入検討のお客様が時間をかけてじっくり見ていくのに対して、売主様が居住中の場合は、遠慮の気持ちもあり、短い滞在時間でざっと見た「イメージ」で判断する傾向があります。

また空室の場合は、内見で見たままの状態で引渡されますが、居住中の場合は、売主様の家財等がなくなった後の状態を想像するしかありません。
その際、室内がある程度片付いていて整然とした雰囲気なら、空室の状態も良好だろうと連想しやすいですし、逆に雑然とした状態だと、建物本体の劣化や設備の不具合を連想させてしまいます。
あくまでも想像なので、実際には劣化も不具合も心配ないかもしれませんが、最初に持たれたイメージを説明によって訂正するのは、不動産に限らず、なかなか難しいのが実情です。
こうした理由から、居住中のお部屋を売出す場合は、良くも悪くも、室内の「見せ方」が、少なからず売買価格に影響を与えることになります。

◆◆好印象に見せるポイントとは?◆◆

新築マンションのモデルルームに行ったことがある方なら分かると思いますが、実はモデルルームには、来訪客の購買意欲を煽る仕掛けがいくつも仕込まれています。(悪い意味ではありません。)
そのうちの一つは、家具や雑貨を配置しつつも、生活臭や居住者のパーソナルな気配を消した、すっきりした空間を展示していること。
ホテルの客室のセッティングも同様で、多くのユーザーは、整然とした美しい、ある意味で非日常的な空間に憧れを抱いています。
現実的には、私たちの身の回りには個人で使う日用品があふれ、もちろんそのような品々がないと日頃の生活に困る訳ですが、他の家庭のパーソナルな部分をわざわざ覗きたい思う人は、まずいないのではないでしょうか。

また、物が雑然とたくさん放置されている「片付いていないお部屋」のデメリットは、空間のサイズが実際より狭く見えてしまうこと。
内見に来る方は、印刷物やPC・スマホの画面では掴みにくい、実際のお部屋の明るさや感覚的な広さの確認をされるので、住みにくそうとか、思ったより狭いと認識されてしまう懸念が高くなります。
夢を抱いて新生活の場を探している購入検討者様に対して、期待に応えるか失望させるかは、お部屋の状況が大きく左右します。

◆◆不用品の処分をお勧めします◆◆

このように申し上げると、そんなことは分かっているけれど片づける時間も手もない!という、お叱りの声が聞こえてきそうです。
恐らく、多くのご家庭では、事実としてそうなのだと思います。
小さなお子様がいらしたり、ご夫婦共働きだと、自宅=住めればいいと、割り切っておられる場合も、特に珍しくありません。
もちろん、このようなご事情やお考えは十分理解しているつもりですが、そのうえで、高く売るためにぜひご提案したいのは、不用品の段階的な処分、いわゆる「断捨離」のお取組みです。
そもそもご自宅の中に不用品があまりない状態なら結構なのですが、多くのご家庭では、いつ使うとも知れない物品が相当量あって、貴重なスペースを占拠しているのではないでしょうか?

不用品を処分することのメリットは、自宅不動産を高く売るための対策としてだけでなく、複合的な見返りが期待できます。
まず、新居に引越しをする際の荷物が減るので、引越し代を安くできる可能性があります。
また、もし引越し時に不用品の処分を業者に纏めて依頼すると、量によっては、軽く数十万円にもなる費用を請求されますが、日頃から少しづつ処分すればほぼタダです。
昨今では、何でも買取ってくれるリサイクルショップや、買取りの出張サービスもあるので、必ずしも不用品=ゴミではありません。
むしろ、家族で食事に行けるくらいの収入になるかもしれないです。
そのうえで自宅不動産が少しでも高く売れるとするなら、今日からでもやらない手はないと思いませんか?

◆◆買主様の立場で考える◆◆

高く売るための具体的な対策は他にもたくさんありますが、根本的に大事なことは、購入検討客の立場になってみて、この住宅に住みたいと思えるか?という意識を持っていただくことだと思います。
自分は売る側の立場だから関係ないよ、という発想は、決してしないでください。
売却する際に、丁寧に使っていて惜しまれながら売るのか、関係ないと思って売るのかは、買主様に必ず伝わります。
購入検討客に「ぜひここに住みたい」と強く思っていただくことが、高く売るための最大の秘訣。
売主様自身が自宅を見た時にも、同じように思えるなら、貴方のご売却は、すでにかなり成功を引き寄せていると言えるでしょう。

また、最近はあまりお見受けしませんが、以前は「売ってやる」という意識が妙に強い売主様も、時々いらっしゃいました。
居住中のお部屋の内見では、原則として売主様にも立合いをお願いすることになります。
購入検討客は、もちろんハードとしてのお部屋を確認するために来場するのですが、前の所有者がどのような方なのかという点も、購入を決断する際には、大いに気になるポイントです。
売ってやるという態度を示されて、いい気分になる方は皆無。
数千万円という高額な買い物を「してもらう」という感謝の気持ちを持っていただければ、自然とおもてなしの心になり、お互いに気持ちよく取引ができるというものです。

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