居住中のマンションを上手に売却する方法

2021.08.14

マンションを売却される時の状況を大きく分けると、売主様が先に新居などに引っ越して空室で売る場合と、売主様がまだ住まわれていて、家具や身の回り品がすべてそのままの状態で売る場合に区別できます。
どちらの方が売却に有利とか不利と断言できるものではありませんが、空室の場合は買主候補のお客様が時間を掛けて細部までじっくり内見して判断される傾向が強いのに対して、居住中の場合は売主様も同席する中で生活感のあるお部屋をご案内しますので、お客様は短い滞在時間の中でざっと見た限りでの印象やイメージで判断されます。
別の言い方をすれば、空室の場合は引渡し時のお部屋の状況がそのまま目前にありますが、居住中の場合は、建物自体はきれいなのに室内が雑然としているために悪いイメージを持たれたり、逆にそこそこ老朽化したマンションでも清掃が行き届きおしゃれに装飾されていると夢に見た憧れの生活ができるお部屋という好印象を持ってもらえる可能性が高くなります。

つまり、売主様が居住中のお部屋を売却する場合は、良くも悪くも、室内の見せ方によって売買価格に振れ幅があると言えます。
新築マンションのモデルルームに行ったことがある方なら分かると思いますが、モデルルームには来訪客の購買意欲をそそる仕掛けがいくつもあります。
そのうちの一つは、生活臭や個人の気配を完全に消した、素敵な家具や調度品及び照明器具の配置です。
高級ホテルの客室なども同様で、多くの一般消費者は、整然とした非日常的な美しい住空間に憧れをもっています。
実際には私たちの身の回りには個人の色が付いた物があふれ、そのような物品がないと生活していくのに困る訳ですが、少なくとも、よそのご家庭のパーソナルな部分を好んで見たいとは思いませんし、見られる側もいい気分ではありません。
また、物が雑然と溢れている空間の大きなデメリットは、その場所が実際より狭く見えてしまうことです。
内見にみえる購入検討のお客様は、印刷物やスマホの画面では分かりにくい、実際のお部屋の明るさや感覚的な広さの確認を特に重視されます。

では、居住中のお部屋を少しでも高く売るためにはどうするべきでしょうか?
一言で言えば、内見希望の方が来訪する前に掃除して片づけてくださいと言うことになりますが、そんな時間がどこにあるんだ?という反応が聞こえてきそうですね。
ご家庭の都合にもよりますが、ご事情はよく分かります。
掃除と言うと、それだけで拒絶反応を示す方も確かにいらっしゃいますので、一つ提案させていただきますと、売却=引越しを考え始めたら、不要品を段階的に処分して家の中から物品を少なくすることを強く推奨いたします。
処分方法は、リサイクルショップに持ち込んでも、一般ごみまたは粗大ごみ(多くの自治体では要予約)として出しても構いませんが、引越し先で使う予定がない物や壊れているもの、何となく捨てずに取っておいたものは、大小を問わず早めに処分しましょう。
これに取り組む効果はとても大きく、引越しの直前に不用品の処分を纏めて業者さんに頼むと、処分費だけで数十万円を要することはざらです。
更に荷物が減るので引越代が安くなり、結果的にきれいなお部屋になって高額で売れる可能性まであるのですから、やらない理由がありません。

高く売るための個々のノウハウは他にもいくつもありますが、根本的な心構えのポイントは、そのお部屋の購入を検討する方の立場になって考えてみると言うことに尽きます。
残念ながら中には「売ってやる」という意識で売却に臨む売主様もいらっしゃいますが、仲介の立場の私から言わせれば、物件に関わらずそれで高く売れる訳がありません。
高価なものを「買っていただく」というお気持ちがあれば、自分ごととして積極的な行動を取ることも苦にならないと思います。

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