一括査定サービスを使う時に絶対注意するべきこと

2022.04.05

一括査定サービスを使う時に絶対注意するべきこと

不動産の売却を検討する際に適当なキーワードでネット検索してみると、大変便利でお得感がある一括査定サイトが、上位ににずらりと表示されますね。
「横浜市の不動産を高値で売却するコツとは?無料の一括査定はこちら」
「スマホひとつで簡単60秒で査定申込み」
「築数十年の空き家が驚きのこんな価格で!」
「最大6社からすぐに査定書が届きます!」
なるほど。
不動産会社どうしが競争してくれるので、労力を掛けずに高く売れると言われれば、使ってみようかと思う方が多いのも頷けます。
ただ、本当に簡単で高く売れるとお勧めして大丈夫か?と聞かれれば、業界の中の人としては、危いと言わざるを得ない現実があります。
すでに一括査定を使ってみて、イメージと違ったと痛感されている方もいらっしゃると思いますが、実情を覗いてみましょう。

◆◆一括査定のメリット◆◆

悪い話をする前に、不動産一括査定の本質をよく理解して使えば、十分にメリットもあることを、お断りしておきます。
昨今ではインターネットの普及のお蔭で、中古車や引越しなど様々な分野で、一括査定サービスを提供するサイトが現れています。
一括査定でなくても、家電を一番安く売っている店を調べたり、オークションに掛けてモノを売るシーンも一般化しており、「価格の比較」が極めて簡単にできる時代になりました。

不動産の売却査定で一括査定を使うとよいのは、不動産会社から示される価格の妥当性を、容易に検証することができる点です。
不動産には、工業製品のような定価がある訳ではなく、まったく同じものは2つと存在しないという特性があります。
従って、一般の方が実際に売却可能な価格を自力で算定することは、かなり難しいと言わざるを得ません。
実は、不動産会社の立場からは、そこに付け込む隙があります。
色々と理由をならべて不当に安い価格での売却を取り付け、それでも売れないふりをした挙句に「買取ってあげます」と言って大儲けする悪徳業者に当たっても、比較できなければ、大損していることを認識できません。
ただ、いくつもの不動産会社を個々に当たるのは面倒ですし、最初に話を聞いた不動産会社の裏を取ったことが露見すると、トラブルにならないかと、不安にもなります。

このような意味で、一括査定なら特に気を遣う必要がない複数の不動産会社から、査定書がほぼ同時に届きますので、しっかり比較検討ができます。
査定額が極端に安いところは論外として、極端に高いところも、本当にそんな金額で売れるのか?と根拠を冷静に見て行けば、騙されることはありません。

ただ実際には、騙されてしまう方が割と多いのが実情なのですが・・

◆◆一括査定のデメリット ①◆◆

不動産に限らず、一括査定を使った経験がある方ならご記憶かと思いますが、最初に驚くのは、申込みボタンをポチった直後から殺到する、鳴りやまない電話とメール着信の頻度ではないでしょうか?
申込みを受けたそれぞれの会社は、依頼者の方と連絡がつくまで徹底的に電話やメールをするので、もし6社に査定を依頼すれば、同じことを6回お話しいただくか、不動産会社側が諦めて電話を掛けてこなくなるまで、無視し続けるかのいずれかしかありません。
当社でも一括査定サイトを少し使っているので、このようなご連絡をする時は、大変心苦しく思っています。
お話を聞いてみると、ご自分が申し込んだのは某査定サイトであり、個々の不動産会社から電話が来るとは思わなかったという方が(特にご高齢の方に)多い印象です。

この状況を不動産会社側から言わせれば、お申込みを受けたのでご連絡しているということになるのですが、更にその背景としては、一括査定サイトからの課金の実態があります。
ほぼすべての一括査定サイトにおいて、消費者であるユーザー様は完全無料ですが、参画している企業はユーザー様が申し込んだ瞬間に、裏で課金される仕組みが作られています。
不動産売却の場合、1件当り各社15000円前後が相場です。
従って、申し込んだユーザー様はお気楽だったかもしれませんが、課金されている会社側は必死になってしまいます。
また、ユーザー様とお話ができる順番も大事で、最初の電話に丁寧に対応して下さった方に、6番目の電話にも同様に対応してくださいとお願いしても、現実的には無理があります。
従って、どこの会社も先を争うように、ユーザー様との連絡を繋ごうとしてしまうのです。

不動産会社側に悪意がある訳ではありませんが、一括査定をご利用になる場合は、最終的にご売却が決まるまで、申し込んだ不動産会社に営業で追いかけられることは了解しておいてください。
率直に申し上げれば、しつこい営業は迷惑でけしからんと感じる方には、一括査定のご利用は向かないと思います。

◆◆一括査定のデメリット ②◆◆

しつこく営業を受けるだけなら、実害とまでは言えないかもしれませんが、一括査定の本質的な危うさは、実は査定額自体の問題にあります。
重要なことなので、このポイントはぜひ頭の片隅に残してください。

一括査定を取られたユーザー様には、ボリューミーな査定資料が各社から届くことになりますが、残念ながらほとんどの方は、査定額にしか関心を示しません。
不動産会社としては、その価格の根拠や、どうやって実際に売却するのか?という点をご説明したいのですが、要はいくらなのか?という話になってしまうことが多いのが実情です。
ユーザー様側には、極端な会社は避けるとしても、査定額の高い不動産会社に売却を依頼する傾向があることは、間違いないと思います。
これが分かっているので、多くの不動産会社では、どうしても相場よりやや高めの査定額を出さざるを得ません。
そうしないと、いくら誠実で緻密な査定を行っても、候補に選んでいただけないからです。
その結果、売出し後に妥当な価格に戻すための労力を要したり、売却に無駄な時間が掛かってしまう事態が生じます。

もっとも、不動産に定価はないので、一定のレンジ(相場)の範囲内で、一番高い価格にチャレンジしてみることは、まったく誤りではありません。
問題は、極端に相場を外した高額をわざとユーザー様に提示し、上手に言いくるめて売却を受託してしまう不動産会社が、後を絶たないことです。
これに引っかかってしまうと、売主様は残念ながら、厳しい状況になってしまいます。
売却を始めた後に待っているのは、「楽して高額で売れる」というキャッチフレーズの真逆の道。
受託した不動産会社としては、売れないのは想定内なので、しばらく放置しておき、頃合いを見て価格を大幅に下げて買取る、という方向に売主様を誘導していきます。

不動産価格の一括査定が他の分野とは異なる特性は、提示される価格があくまで「売出価格の提案」であり、その価格で売れると保証している訳ではないという点です。
悪い言い方をすれば、売れなくても不動産会社は責任を追及されないので、ユーザー様の歓心を惹くために、現実的ではない高額を提示することは簡単です。
冷静に見ていただければ、そんな金額で売れるはずないと、ご理解いただけそうなものですが、一括査定を使って不動産会社が「努力」した結果として、高く売れると思い込んでいるユーザー様も、一定数いらっしゃるように思われます。

◆◆比較して決めることは大切◆◆

繰返しますが、一括査定サイトのように複数の会社から査定額や営業方針を聞いてみる機会は、不動産売却の依頼先を検討する手順として重要です。
ただ、一括査定の仕組みにはデメリットもあるので、最初はやはりお手間ですが、いくつかの不動産会社に個々に話を聞いてみることをお勧めします。
この際には、同じようなカラーの不動産会社ばかりにせず、敢えて雰囲気や規模が異なる先をピックアップしてみると、各社の違いがはっきり分かるのでお勧めです。
例えば、大量にCMを流している有名大手ばかり数社から話を聞いても、恐らく各社の違いは、担当者個人の印象以外に、ほとんど感じられないでしょう。
当社もご検討の際の一候補になれれば嬉しいのが本音ですが、そうではない場合でも、地元で「売却」に力点を置いた特色ある不動産会社が必ずありますので、選択肢として挙げてみてください。

今すぐ無料査定・無料相談