仲介での不動産売却には専任媒介契約をお勧め!横浜市の売却専門店やまゆりエステートがご説明します
2023.10.12
媒介契約が必要な理由とは?
やまゆりエステート株式会社の桑島順一です。
仲介を利用して不動産を売却する時には、まず最初に、不動産会社と「媒介契約」を締結していただきます。
媒介契約とは、不動産を売却に関する条件や義務を、委託者である売主様と受託者である不動産会社との間で、文書で明確に決めておくものです、
不動産売却の流れにおける、必須事項の一つと言えます。
媒介契約の締結の必要性については、宅建業法という法律でも定められています。
昔は、何となくのアバウトな話だけで、不動産会社が勝手に売却を進めてしまうこともしばしばでしたが、当然トラブルになりかねません。
法律の目的は、お客様である売主様の立場や権利を保護することが中心なので、売却を始める前に媒介契約を締結することは必須、とご理解ください。
媒介契約には、売却対象物件の特定はもちろん、売出し価格、仲介手数料の金額、依頼する期間、不動産会社側の営業上の義務などが明記されます。
もちろん、これらの契約内容を、不動産会社の一存で変更することはできません。
逆に売主様側は、その物件の所有者様本人か、正式な委任を受けた方でなければ、媒介契約を締結することはできません。
媒介契約には3種類があります
この媒介契約には、法律で3つの種類があらかじめ設定されており、次のいずれかをご利用いただくことになります。
一般媒介契約
専任媒介契約
専属専任媒介契約
どれを使うかは、売主様に選択いただけますが、それぞれがどんな内容で何が違うか分からなければ、判断できないですね。
そうなると、不動産会社から言われるがままになってしまいます。
このコラムの筆者からは、3つの媒介契約の違いを説明しつつ、特にご事情がない限り、専任媒介契約をお勧めしたい理由をご説明いたします。
3つの媒介契約の違い
上記の一覧表に、3種類の媒介契約の主な違いを纏めました。
売主様から見ると、複数の不動産会社に重複して売却を依頼できたり、自分で買主を見つけた時には不動産会社を通さなくてよいなど、最も柔軟なのは【一般媒介契約】です。
一方で、【専任媒介契約】と【専属専任媒介契約】では、売却を依頼できる不動産会社は1社限定で、それ以外の先には依頼できません。
逆に不動産会社から見ると、【専任媒介契約】と【専属専任媒介契約】では、営業上の義務や定期的な報告、契約期間の制限などがありますが、【一般媒介契約】では義務はほとんどありません。
つまり、売主様にとって自由度が高く使い勝手が良いほど、不動産会社は法令上の義務を負わないことになります。
逆に売主様が一定の制約を了解いただけるほど、不動産会社の営業の義務も強くなる、相関関係になっています。
一般媒介契約が良いように見えるが・・
こうした比較を一見すると、複数の不動産会社に競争させた方が良い条件で売却できると、思われるかもしれせん。
確かに一般的なモノの売却なら、店どうしを較べたり見積りを取ることで、経済的なメリットを得られる可能性が高くなります。
従って、3種類の媒介契約の中では、複数の先に依頼でできる一般媒介契約のメリットが大きいようにも見えます。
ただ実際はどうでしょうか?
不動産の仲介売却では、不動産会社が競争することで売却額が高くなことは、決してありません。
なぜなら、複数の不動産会社に売却を依頼しても、売るものは唯一無二の一点ものなので、売出価格は横並び、つまりどこも同じにする必要があるからです。
一般媒介契約によって購入検討客の集客が大きく増える訳でもなく、むしろ売却に苦戦する懸念が高いと言えます。
一般媒介契約のデメリット
一般媒介契約を選んだために、売却に苦戦してしまう理由を考えてみましょう。
まず繰返しとなりますが、複数の不動産会社に仲介売却を依頼しても、競争によって価格が上がることはありません。
では他に期待できることは何でしょうか?
それは、多くの不動産会社で購入検討客の集客営業をすることで、成約できる可能性が高まることだと思います。
確かに、かつては紙とFAX・電話が情報拡散の手段だったので、売主様自身が多くの不動産会社を回ることで、集客の間口が広がる効果がありました。
ところが、現代の情報伝達手段のメインは圧倒的にインターネットです。
インターネットでは、売却物件の情報をデータベースなどに登録すると、すべての不動産会社に瞬時に行き渡らせることができます。
また、購入を検討するお客様に対しても、やはりインターネットによる訴求が主戦場です。
意図的に物件情報を隠さない限り、物件情報の発信元は、しっかりした不動産会社1社で十分です。
不動産会社側が取り組みにくい事情
一般媒介契約には、実は不動産会社が全力で売却営業に取り組みにくいい理由があります。
それは、売却を承った複数の不動産会社のどこが成約するか分からないので、経費を投じてもロスになる可能性があるためです。
仲介売却では、売主様には成約時に仲介手数料を負担いただきますが、支払い先はあくまで売買を成約させた不動産会社だけになります。
どんなに営業費や労力を使って一生懸命営業しても、他社で成約したら自分の収入はゼロで、努力賞はありません。
こうした不確実性あるため、一般媒介契約の物件に多額の広告費や売却促進のサービスを行うのは嫌で、適当な営業に終始してしまいがちです。
この認識はどこの不動産会社も同じはずです。
ですから、多数の先に売却を依頼したところで、熱心に営業しない会社だけがたくさん集まる状態になります。
売主様が良かれと思って依頼する不動産会社を増やすほど、深みに落ちていくことになりかねません。
専任媒介契約をお勧めする理由
では、専任媒介契約または専属専任媒介契約は、どうなのでしょうか?
この2つは名称から似ており、いずれも売却を依頼できる不動産会社は1社限定ですが、受託した不動産会社には様々な営業義務が課されます。
一般媒介契約のように、不動産会社が空振りに終わる懸念が低いので、十分な営業費を掛けて、しっかり売却を推進することが可能です。
この2つの契約の違いは、次の点です。
専任媒介契約:売主様が自分で買主を見つけた場合は直接売買してよい
専属専任媒介契約:売主様が自分で買主を見つけた場合でも不動産会社で仲介する必要がある
不動産会社と媒介契約を結んだ後で、親族や知人・隣地の方などから購入の希望があったケースが、この違いに該当します。
では、専属専任媒介契約を使った場合に、売主様が享受できるメリットは何でしょうか?
結論としては、売主様への営業報告の頻度が上がるだけで、これをメリットと感じる一般の方は僅少でしょう。
従って、この2種類の契約を比較すると、専任媒介契約の方が、売主様にとって使いが手が良いと考えられます。
最重要ポイントは不動産会社選び
最後に、専任媒介契約を使う時の一番大事なポイントをぜひご理解ください。
それはシンプルですが、売却実績が豊富で熱心に取り組む適切な不動産会社に依頼することです。
もし一般媒介契約で多数の不動産会社に売却を依頼するなら、ダメな会社が混ざっていても大勢に影響はないかもしれませんが、専任媒介契約の依頼先は1社限定です。
その1社に、売却に不慣れで物件情報の発信スキルも十分な不動産会社を選んでしまったら、それこそ悲劇。
売却の依頼先の選択は、知人からの安易な紹介や会社の大小で判断せず、よく考えて慎重に行ってください。
当社では、このコラムのテーマの解説動画を、YouTubeの専門チャンネルで公開しています。
「媒介契約って何?なんで3つもあるの?」
もし宜しければ、お時間のある時に脱力してご視聴いただければ幸いです。